自由診療

自由診療というと、とんでもなく高額な治療をイメージされたり、勘違いされる方が少なくありません。

確かに金額だけで考えると、保険診療に比べると高額になることは否めません。
しかし、それには理由があります。

患者さんごとのお口の状態や歯科治療に対するご要望は千差万別です。

検査や治療に入る前の患者さんとの対話を重視しております。

様々な「思い」「心の澱」があるはずですから、歯科医としてのフィルター越しに患者さんと対峙するのではなく、目線を同じ位置にし、時間をたっぷりお取りしてお話を聴かせていただきます。

患者さんの背景に触れずに治療を進めると、同じ過ちを繰り返す場合もあります。

併せて、2回目以降に精密検査プログラムで「現在の状態に至った原因は何か？」を調べます。

噛み合わせ、習癖、ストレス、虫歯や歯周病の原因菌がどれだけいるのか、唾液の性状、過去の治療が必要十分なものか、歯周病の進行度合はどうなのか、その他いろいろ調べなければいけないことがあります。

次に検査結果を患者さんにお伝えする時間もお取りします。今の問題点、どうしてこのような状態になったのかをご理解頂き、どうしていきたいのかご希望を伺います。

次にお見積りをご提示いたします。
ご納得頂けるようでしたら、その次の回から治療を開始いたします。

一般的なイメージにある白い被せ物が〇〇万円、金属床義歯がいくらという売上至上主義ではなく、常に患者さんに最善を尽くすための診査・診断そして治療です。

一番に考えるのは患者さんの利益です。

一方、保険診療は素晴らしい制度です。
国が定めた非常に制限されたルールの上に成り立っています。
治療手順や回数をはじめ、事細かな決め事に則った上での治療で、歯一本ずつの

「つぎはぎの制限治療」をしてしまいがちという側面があります。

 私達歯科医師は患者さんの歯に対して「修理屋」なのでしょうか？価値観を否定はしません。それも一つです。

一人ひとりの持つバックグラウンドまで含めた「その方の全体を診る」というような部分にまで踏み込んで診療していきたいと思っています。

 治療の質を低下させる短時間治療はできないし、短時間で自分がされたくない治療を行い、心に負い目を感じながら生きることで自分の人生の貴重な時間を費やしたくないと思っています。

じゃあ、いっそのこと保険医を辞退して
理想を追求すれば？と思う方もいらっしゃると思います。

それはできません。
なぜなら、痛くてつらい思いをされている
患者さんが来院しづらくなるからです。

困っている人がいたら、やはり助けたいのです。

症状が落ち着き、物事を冷静に考えられるようになったら、

その後どうされるか患者さんに委ねます。

当院は自由診療の歯科医院の中ではそれほど高くはない方ですが、保険診療と比べれば高いかも知れません。

歯や健康に重きを置き、その価値をわかって頂ける方がご来院いただいてます。
　医療の本質とかけ離れた「保険か自費か？」という問題に囚われずに、

自身の良心に従って最善と思われる治療を提供できるように

環境を整えたいが故の自由診療の選択です。